33歳の一般人が朝井リョウさんの「正欲」を読みました。

読書

こんにちは。初めまして。りょんです。

今年の秋、大好きな新垣結衣さんがまた映画に出られるという事で、その原作もきになったので読んでみました。

朝井リョウさんの『正欲』です。

正欲
正欲

私にとってはすごく衝撃的な内容でまた気持ちの整理が出来ていないのですが、この感情を忘れないうちにつらづらと書いていきたいと思います。

ネタバレっぽいのあります。

朝井リョウさんの印象

という見出しをつけといてなんですが、朝井リョウさんの著書は『桐島、部活辞めるってよ』しか読んだことはありませんでした。

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当時の感想は登場人物の外面と内面の描写がリアルだなと感じた気がします。(だいぶ前なのであまり覚えていない)

何より視点が頻繁に変わる文体なのでサクサク読み進められたという印象でした。

『正欲』というタイトル

ガッキーの映画出演という事で、物語の大まかな内容はちらっとみてて、凄い【設定】だなーとかぼやーっと読み始めてしまったんですよ。アホな顔して。

そんな自分を今ではちょっと叩いてやりたいです。

【設定】なんてそんな生易しいものではなかった。

『桐島〜』の印象があくまでも学校という狭い空間の中での人間関係の話だったのですが、この『正欲』は規模が違う。当たり前か。

まず大前提が人間だれしもが持っている『性癖』のお話です。

そう。『性的趣向』『恋愛対象』『フェチズム』という意味での『性癖』です。

そこがもう早々に私の理解の範疇をはるか超えてしまいまして。対物性愛という言葉ぐらいは知識として知ってはいたけれど。

うわぁ大変なものを読み始めてしまったなぁと。

それを踏まえて『正しい』『欲』とは凄いタイトルだなと思いました。

多様性という言葉

性的趣向がテーマなので、やっぱりというか当たり前に多様性という言葉も出てきて、それ対する疑問というか違和感を感じる場面も登場人物の心理描写の中で出てきます。

ただ、私は

「最近の多様性とかいうおめでたい論調ぶった斬ってやる!」

みたいなそういう事では無いと感じました。

どう違うのか、上手く言葉に出来ないけれど…。

もどかしい!言語化スキルが欲しい!

序盤に出てくる事件との繋がりが終盤まで見えない

これは、たぶん私の読解力の問題ですね。

前書きの後、序盤に

ある事件のネット記事のような文章がでてきます。

その事件に向かってそれぞれ(事件まであと○日)というふうに視点が変わりながら進んでいくんですが、登場人物達の人物像を知れば知るほど、その事件がどう繋がるのか想像できないんです。

なので登場人物の名前と、その事件の文章に出てくる名前と、何回も戻って確認してしまいました。

ただ終盤辺りで同じ性癖を持つ3人の希望が最高潮に来た時に

あ〜これもしかして行っちゃダメなやつなんじゃないかな〜。って。

やっと気づきました。

ミステリーを読み慣れてる人ならもっと早く気づくのかな〜。

自分以外の誰かの幸せを願う場面が印象に残る

この本を読んで自分の傾向について気付いたことが一つだけあって、

私は「登場人物が自分以外の誰かの幸せを願ったり心配する場面」が、すごく印象に残りやすいという事です。

このお話でも特殊性癖であるために世間と距離を置き、自分を偽って生きてきた男女2人が

『その人、ひとりでいないといいね。』

『誰も、ひとりでいないといいよ。』

と会話する場面が印象に残りました。

自分達が『繋がり』をみつけたから出来た余裕から来る言葉なのかもしれない。

その『ひとりでいないといい』という言葉も、立場が違えばこの2人がおめでたいと感じていた『多様性を声高に訴える人達』が言っていることと何ら変わりは無いのかもしれない。

色んな事を考えてしまいますが、

ただただ単純に、自分以外の幸せを想う事のできる人が、とても尊いと感じます。

そんな事を考えて、私はやっぱりおめでたいなーとも思いました。

出来るなら親になる前に読んでみたかった

読み終わったあと1番最初に浮かんだのはこれです。

親になってまだ4年弱ですが、どう頑張っても

親フィルターが発動してしまうんですよねー。

メインの登場人物達は自分の性癖にめちゃくちゃ自覚的で、社会(または法律)に反する事を徹底的に避けて生きていこうとしています。

自分のうしろめたさにも目を背けないほどに。それはどこまでも誠実だと感じました。

誠実だから、苦しんでいます。

そして、それをしない人物との境界線は描写を読んでいればわかります。

それなのに、事件の後、事情聴取で主人公達を軽蔑して簡単に排除しようと罵るような人物の言葉に共感してしまう自分もいるんです。

「解らない」「理解出来ない」「怖い」

「そんな対象は目の届かない所にいて欲しい」

「関わりたくない」

そんな考えが過ぎる自分が怖くもなりました。

親フィルターとか言ってるけどもしかしたら親になってなくてもそう感じるかもしれない。

もっと早くこの本を読んで、親になる前となった後の感想を比べたかったです。(そんな事言ってもしょうがないけど)

感想まとめ

一言でいうと

なんだか大変なものを読んでしまった。

価値観が浅くて狭い一般人にとってはめちゃくちゃ衝撃的な内容でした!

早くガッキーがこの役を演じているのを観たい!

あ、あとAmazonとか読書メーターとかのレビューを読むのもなんか面白かったですよ〜。

お暇な方は是非読んでみてください。

Bitly

ではまた!

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